2006年9月30日(土)
 

歯科検診のために最寄りの歯医者さんへ行く。これは歯周疾患改善指導事業として区が行っている検診。口腔内の予防や改善を目的とした内容は問診と検査とブラッシング指導である。習慣や現状などの簡単なアンケートの末尾「その他気になる事や相談したい事」の記入欄へ4項目も書いてしまう私。1.歯が磨耗してきていること、2.歯ぎしりと現在使用中のマウスピースのこと、3.神経が出ている部分の痛みのこと、4.金の詰め物の適正のこと。口内を一通りチェックしてもらった結果としては虫歯ゼロ、歯周病の心配ナシ、ブラッシングOKであったが私の本命はここから。なにしろ歯の治療は医師によって意見が違うからわかり難い。先生を決めたら判断も任せるしかない部分がある。歯は酸によって溶ける場合があると過去に言われたが別の医師は違うと言い、この先生は梅干を1日10個以上食べる人の歯がボロボロに溶けたお話を例に出し起こり得ると言う。また10年近く着け続けているマウスピースを見てもらうと、素材も成形の盛り方も好ましくないとの見方。神経が出ている部分も金を被せる方法も、磨耗する歯と関連しているという見解で何となくまとまった。20分間位の予定が45分もかかっていた。先生の「それではそんな所ですね。」とにっこりした終了モードに続いて私が「ちょっと聞きたいことが〜」「あと一ついいですか〜」などと追い討ちをかけたために診察台に寝て口内を見てもらう、起き上がってお話するの行為を3回も繰り返したからだ。信頼できそうな先生から幾つかを教えていただいてすっきりしたことで今回の自己負担金200円は何だか申し訳ない気もした。しつこい患者だと思っただろうな。しかしながら新たな治療のための患者確保になったハズよね。


2006年9月28日(木)
 

J-WAVEでは今月「100年後に残したいと思う曲」キャンペーンを実施中。5局の構成によるPOWER OF MUSICをコンセプトにした企画の一環でリスナーのアンケートを参考に当局が100曲をセレクトしてサイトで公開している。全体的に若い世代が多いのかズレを感じつつもまずはその中から私がチョイスした意見を。RCサクセション「トランジスタ・ラジオ」→「スローバラード」の方が好き。YMO「RYDEEN」→OK、井上陽水「少年時代」→全然「傘がない」の方。坂本龍一「戦場のメリークリスマス」→OK、セックス・ピストルズ「Anarchy in the U.K.」→「ロックン・ロール・スウィンドル」の方がいい。ニルヴァーナ「Smells Like Teen Spirit」→OK、プリンス「KISS」→断然「パープルレイン」。ボブ・ディラン「風に吹かれて」→OK、ポリス「Message In A Bottle」→「見つめていたい」も名曲。マーヴィン・ゲイ「What's going on」→OK。レディオヘッド「Creep」→いいけど「ゼアゼア」。ローリング・ストーンズ「Satisfaction」→「ブラウンシュガー」他にも。さて私として残したいと思う曲の初感では映画、ミュージカル他クラシックな大物からは「ケセラセラ」「ブラジル」「モア」「レッド・ザ・サンシャイン・イン」「黒い果実」「マダムバタフライ」「ボヘミアン・ラプソディ」など。あと「襟裳岬」「木綿のハンカチーフ」の歌詞は未来から振り返ると歴史解釈に誤解も出そうで面白いと思う。20世紀の曲目ばかりだが近年長い間褪せない名曲はポーティスヘッド「グローリー・ボックス」、マイルス・デイビス「ドゥー・バップ・ソング」、ハービー・ハンコック「フューチャー・ショック」、ニコ「ラブソング」、ジェームス・ブラウン「セックス・マシーン」などなど、あら何だか違う視野にてキリがなくなってきたのでこの辺で現段階は終了にします。


2006年9月25日(月)
 

マイケル・ウィンターボトムの「イン・ディス・ワールド」をDVDで観る。パキスタンの難民キャンプで育つアフガニスタン人の少年がロンドンまで旅をするストーリー。陸続き6か国もの国境を超えながらの危険な4000マイルの亡命。この映画の際立っているところは、フィクションでありながら限りなく現実に寄ったものだということ。それ故に解説やインタビューを含む特典映像の方が興味深い内容だったのが特徴的だ。監督と脚本家はロケハンをしながらパキスタン難民キャンプで暮らす実在の少年2人を主演俳優に起用、制作も脚本と同じ地域を辿って進行し現地で実際の人をそのまま登場人物として演じてもらうなど異例なケースも多い。難民問題や不法入国など今も世界が抱えている問題に焦点を当てたテーマは、このように実際にスタッフが各地を移動し応変しながら完成させたことで説得力を与えている。少年達のエピソードやトラブルの体験もシーン随所にリアルな埋め込みとして描かれているようだ。監督のある部分ではフィクションから現実になったとのコメントもよくわかる。映画そのものはドキュメントタッチで静かに進んでいくロードムービー。ウィンターボトム監督作品を大きなタイプで並べるとしたら「ウェルカム・トゥ・サラエボ」が最も似ている印象だろう。


2006年9月22日(金)
 

四川料理店で食事。先日NHKの「ためしてガッテン」でやっていた麻婆豆腐のレシピ内容をほぼ覚えていたので、好奇心で珍しくオーダーしてみる。まあまあイケルお味だと思ったが友人は標準レベルだと言う。何しろ自分の場合は比較する経験不足の料理。中国料理全般に言えるが食べる頻度は年々少なくなっていた。例えば日本人の好きな中国料理第1位に挙げられる海老チリにおいては最低でも4年食べていないし、ラーメン屋に至っては最低9年は行っていない。嫌いではないけれど忘れがちなプライオリティの極めて低いジャンルだ。自宅では一人暮らし歴が長いための健康配慮と外食ではお酒が必須になったことがその理由の一端だと思う。理想は紹興酒をお供に小皿で様々な料理バリエーションをいただくことだが、どうもこれまで日本にそういったお店の存在が少なかったこともある。ラーメン一杯はまず量的に問題で飽きるしちょっと無理。今日いただいた料理は全てが適当なボリューム、繊細な仕上がりで美味しかった。中国料理は油を多用するがその扱いにポイントがあって、温度やタイミングにより旨みと食感の形成や素材への作用が科学的に完成されているらしい。奥は深い、そして意外にヘルシーキュイジーヌなのかもと今さら感じる。ただ上海のOちゃん曰く最近の中国人はおデブばかりだそうで目下ダイエットブーム、かつてのスリムな評判とは違うそうな。


2006年9月20日(水)
 

イギリスの刑務所で囚人が持っている携帯電話を捜し出すために犬が導入された。この犬は嗅覚の鋭いスプリンガースパニエル犬という種類で生後15カ月のマーフィー君。彼のスケジュールは18日から東部のノリッジにある刑務所で働いた後、他の刑務所12か所を回る予定だそう。ノリッジ刑務所の所長は「囚人が携帯電話を所持していたら、証人と連絡を取ることができる。携帯を使って脱獄の打ち合わせもできる。また携帯電話は写真も写せるため、刑務所のスタッフや刑務所を訪れる人たちの身元が分かってしまう」と言っている。昨年は12の刑務所で約500機の携帯電話が見つかり、今回刑務所で携帯電話摘発に犬が用いられるのはイギリスでは初めてとのこと。マーフィー君は救助センターの犬だそうだがしっかり報酬をもらって欲しいものですね。ところで日本では今「こつぶ」君が人気。先日J-WAVEにも出演しておとなしく座って一応声も出していた様子。フジテレビのドラマ「結婚できない男」への出演が知名度を上げるきっかけとなったが、愛嬌のある表情でドラマの中のいいスパイス役を担っていた。種別はパグで5歳オス、「日本ペットモデル協会」に在籍している。プロフィールの性格欄には「人の気持ち・雰囲気を察してくれます」「明るい笑顔」などとPR。こちらもギャランティはエクストラ交際費も含めたくさんもらって欲しいものだ。「日本ペットモデル協会」は1997年に開業して現在は東京・大阪・名古屋で運営。登録総数は30,000頭以上、年会費は6000円。


2006年9月17日(日)
 

エミール・クストリッツァ監督の連続鑑賞三弾目「アンダーグラウンド」。想像に反して泣ける映画だった。作品としての完成度は「黒猫〜」「ライフイズ〜」と制作年度順に高いと思ったが、ここにはクストリッツァ原点のメッセージが詰め込まれているようでインパクトと凝縮感は断トツだ。ユーゴスラビアにおける1941年ナチスに侵略されてから1990年代の民族紛争までを背景にした戦争の歴史が描かれている。ドキュメント映像もコラージュ的に挿入されているけれど物語はおとぎ話的とも言える人間ドラマのフィクション。人間が生み出す戦争の愚かさと、戦争が浮き彫りにさせる人間の愚かさ。それと人間の弱さや虚しさや儚さをオリジナリティ溢れるテンションで見せつけられるストーリー。人間の死、戦い、結婚、労働などの行為が笑いと哀愁、欲望と裏切りなどと混合しながら展開。毎度のことながら主要人物が皆さんエゴイスティックで感情的なのがまた素晴らしいのだ。テーマになった地下とは反体制活動を示す意味も持つけれどこの映画ではそのニュアンスを残しつつも、この国での2つの戦争を繋いだ空しい存在となっている解釈では人間の尊厳とはどこにあるのかも考えさせられる。エンディングの「苦痛と悲しみと喜びなしには国があったということを伝えられない」と「この物語に終わりはない」のセリフはユーゴスラビア史像とそこに生きる人々の祖国への思いを感じ取るのと同等に、クストリッツァの力強さや希望に満ちた投影になっている。この監督の3つの作品を見て一貫した自由さと視点や傾向や推移を知ることができてよかった。それぞれが個性的で傑作だと思う。余談だが作品毎に共通する描写は多種あれど女性のお尻ヌードが必ず登場しているのは単純に好きなのか、それとも無防備な部分をさらけ出すといった何か象徴的なメタファーでもあるのだろうか。木陰で排尿するシーンとか釘を抜くショーとか花一輪を差すなどちょっとお気に入りに追加。


2006年9月16日(土)
 

メドックのワインを飲む。あまり良い出来ではないと言われている2002年ヴィンテージで2500円という価格はこの地域ならば妥当なのかもしれないがやっぱりがっかりした。記憶を思い起こせば私がワインを好きになるきっかけがメドックだった。当初はボルドーを飲む比率は他の産地より確かに高かったのが年々その量は下がっていった。メドックの格付けは1855年のパリ万博時から選定されたままで現在ではメドック60とクラーブ1のシャトーが変わらない5階級である。1998年辺りからボルドーやブルゴーニュは世界的に需要が増して中国人等による買い占めなども影響して価格はどんどん高騰していった。フランスワインではこのクラスになるとまずランクというものが品質も価格も左右する。格付けから外れたメドック地区のシャトーは集結し1932年に「クリュ・ブルジョワ」と呼ばれる独自の格付け制度を作ったり、シャトーは格付け銘柄の中でも基準値に満たない質の劣る物を「セカンド」として世に送り出す。これは例えばカリフォルニアや他国の新しいメーカーが質の良い物を「スペシャル」として売るのと対照的である。コストパフォーマンスに優れたワインができる確率の高いのは後者だ。ハードルが高いままのメドックワイン。格付け61シャトーを理解することはいいのだが、お金を払って味わう対価として考えると貧乏性の私にはある意味冒険的な位置づけになってしまって久しい。


2006年9月15日(金)
 

子宮がん検診の結果を聞くために中野坂上サンブライトツインビル内にあるクリニックを再訪。先週土曜日には今日と同じ目的で自宅から約50分間、途中で以前暮らしたアパートを見ながら延々と歩いた自分。その日は休日のためビルは正面入り口が閉鎖、休日メディカルモール用の案内板に従いまず右側へ90度曲がった地下通用口から入った。ガラスの向こう側には営業中のショッピングモールが見えているのに次の道順の掲示が見当たらない。とりあえず1か所だけあったドアからビル内へ入りしばしトイレを利用。細い廊下を数回曲がって辿り着いたドアを開けると地下ショッピングモールに出た。けれどエレベーターがない。そこに張られた休日用の入り口順路の矢印は上を指しているがその通りに階段を上がると単純に1階に出ただけ、あくまでもビルの外側。振り出しに戻ってしまった。映画CUBE?まるでラビリンス。再チャレンジと最初の場所へ行くと管理人らしき方がいたので別のドアの鍵を開けてもらいようやくビル1階内部へ入ることができた。ひと気のないホールからエレベーターに乗ってフロアへ着く。ビル到着からおよそ20分かかってここまで来た一連行動のオチはクリニックが休みだったこと。営業時間を勘違いしていたのだ。わざわざ足を運び何もせずに引き返すのもつまらなかったのでハーモニースクエアでお茶をして、付近に住んでいた当時よく通ったワインショップでお買い物をしてバスで中野へ帰った。中野坂上駅地上の山手通りと青梅街道の交差点には3つの高層ビルが建つ。南西角のサンブライトツインビルは1996年にオフィス・商業施設として完成。地上30階、地下2階で建物高さが最高部134.195m、敷地面積13,373平方メートル、建築面積5,501平方メートル。ロビーからは数機のシースルーエレベータが上下するメタリックで気持ちのいいスペースだ。南東角にはランドマーク的存在で開放感のあるハーモニースクエア、北東角にはライティングも美しい屋外空間を持つ住友中野坂上ビル。いずれも休日は機能が減少する。


2006年9月14日(木)
 

アップルコンピュータはiPodシリーズの新モデルを発表。まず注目されるのは形体的に斬新なiPod Shuffleだろう。まるでどこかのオフィスの壁や床に落ちていそうな文房具みたいなクリップ式。サイズは高さ27.3×幅41.2×奥行き10.5(mm)、重量15g。HDD容量は変わらないが世界最小の音楽プレーヤーとして更なる小型化を実現した。ボディには酸化被膜処理されたアルミニウムを採用。またiPodはHDD容量が30GBと80GBの2モデルでバッテリー駆動時間の向上とディスプレイ輝度が60%向上した。ソフトの面では文字を入力して楽曲を絞り込む検索機能やスクロールと、曲の切り替えがスムーズになる「ギャップレス再生」を装備。ゲーム機能も搭載されダウンロードにも対応。iPod nanoはHDD容量が2GB、4GB、8GBの3モデルで酸化被膜処理されたアルミニウムを本体ボディに採用。バッテリー面の向上とディスプレイ輝度が40%向上した。ソフトの面ではゲーム以外はiPodと同様。そしてアップルはiPodシリーズに併せインタフェースが大幅に改良された「iTunes7」をリリースし、オンラインストアは「iTunes Store」に名前を変えた。ここではWalt Disney Pictures、Pixarなどからの合計75本の映画、Electronics Artsからのゲームタイトルの販売を開始。新発売される映画に関しては事前予約をすればDVDの発表と同時にiTunes Storeから入手できるらしい。「iTunes7」で販売される番組や映画はアメリカのみ。iPodは今回で第5世代となるそうだが新モデルでしか使えない機能としてはゲームだから今のところはよしとしても、進化するハードとツールに合わせてOSもソフトも足並みを揃えてくるので個人的に油断はできません。私のiPodは第2世代、iTunesは4.7止まりだからアルバムのカバーアートとかテトリスなどと贅沢は言えません。iTunesのアップグレードが無理。←何故ならOSをバージョンアップできないから。←何故ならプリンタかスキャナのどちらかのドライバソフトのアップが有償になるから。つまり先にも行けない後にも戻れないギリギリの所にいる現状なのだ。


2006年9月11日(月)
 

エミール・クストリッツァ監督の「黒猫・白猫」をビデオで観る。初公開は1999年で今回TSUTAYAのレンタルにDVD取扱いは無し。バルカン半島のドナウ川のほとりを舞台にしたジプシー一族が巻き起こすヒューマンテイストのコメディ。独自のスピード感溢れるストーリー展開と登場人物のドタバタぶりが楽しめた。ドナウ川のイメージもこの作品においてはある種違うエネルギッシュな存在感になって、相変わらず多彩な動物や音楽などのファクターも生き生きしている。終始テンション高く超おかしかった強烈キャラのダダンを演じたのはスルジャン・トドロヴィッチ。クストリッツァ監督は「ライフ・イズ〜」では戦争を背景に許されないストレートな愛を、この映画では結婚の慣習を皮肉を含めて笑わせる物語へというように不条理をベースに捉えたコンセプトがあるけれど必ず希望が見える人間の描き方が共通のスタイルだ。陽気、純粋などの言葉が相応しいとつくづく感じる。また音楽に対する扱いも比類がなく、全編においてオリジナリティのある配慮が特徴的なパターンとなって構成されている。なるほど音楽に情熱を注いでいるのは然るべきだった。映画にも登場する「ノー・スモーキング・オーケストラ」は彼自身もギタリストとして参加しているバルカン民族派ロックバンド。パンク時代からの知り合いというドクトル・ネレ・カライリチがリーダー。


2006年9月8日(金)
 

上海で就業中のOちゃんと1年半ぶりに会う。こんなに長期会っていないのは数える程という20年來の友人なのに、今回の出足は中国のスイカでお腹をこわした話題から。聞けば中国では短期間に甘く熟成させるために生育過程で毒を注入しているらしい。毒とはまた彼女独特の極端な表現として笑えたが、苺も同様の施策をする為日本の標準サイズより10倍近くの大きな物までもあるそう。また最近中国ではワイン生産業も発展している背景、それなりのレベルの食事会になると赤ワインオーダーが必須の状況だと言う。料理との相性などは関係無しの様子で慣れない当初彼女は毎度吐いていたとのことだ。確かにゴマ油を多用する中国料理には合わせ難いお酒だものね。会話は彼女の転職のこと、アパートや夜遊びのエピソードなどと展開した後、中国人の言葉使いの問題で盛り上がった。意外だったのはどうやら日本語よりも含みを持つ曖昧な言い回しが多いそうで、「貴方、これ食べられませんでしょうかな?」みたいな勧誘なのか質問なのかがわかりにくく敬語も混じった表現なので解釈が厄介と。彼女曰くダイレクトな言い方をしないのは相手の反応を見ながらリアクションを変えるズルい性質があるとの見解だが。今日は8時半から居酒屋で話し始め、場所を我が家に移動して寝たのは5時前。私が酔いも回ってそろそろ限界と感じたのが1時半頃、どちらかというと持久力のある彼女の機関銃的な喋りに対して今は聞き役に回ろう、明日ゆっくり話をしようなどと意識していた。だがそんな私の意向も知らずにもう寝ましょうの直前に彼女は「明朝は人と会うので早く帰る」などと言い数時間だけ仮眠した後に出て行ってしまった。自分は今回お話しようと思っていた15%も話していないので、どうにも気分的に消化不良である。何故帰る予定を先に言ってくれないのかと思うが、彼女のこういった段取りは今に始まったことでもなく天然とも言えるだろう。でも次はいつ会えるのかも不明なのにさ、元気で再会したのはいいけれどもう何とかしようよOちゃんったらなどとじれったい心情が残るのはここ数年の傾向かも。今夜の話題の内訳はライフスタイルや社会世相などの中国事情が3割、言語やコミュニケーションといった国民性のことが3割、上海の街やお店などが1割、会社や生活など彼女の近況が1割、共通の知人の情報が1割、その他が1割という少し妙なバランス。


2006年9月5日(火)
 

エミール・クストリッツァ監督の「ライフ・イズ・ミラクル」を観る。舞台は紛争中のボスニア、物語は実際にあった話に想を得て描いたというロミオとジュリエットではないが一人の男性と敵側モスリムの捕虜との不倫恋愛。そのような不運なアウトラインでありながら全編を通してユーモラスなタッチで人間や生き様を表現している根底が明るくおおらかな映画だと思う。シーン毎にいちいち笑えるディテールの続出で登場人物の多彩さも手伝ってキャラクター達の癖やセリフ、お気楽なバンドと声楽のお騒がせリアクション、ロバを筆頭にした動物達の演技力の上手さなど、それでいて真面目で陽気な雰囲気に溢れている。感情的でウエットではあるけれど乾きが早いといった印象だ。テーマは人生には奇跡が起こるといった広義だが、愛に対するストレートな本能やいたわりが元気や希望を与えてくれるという楽天的な魅力に仕上がっているために共感がもてる。160分の長さでもスキのない構成で引き込む展開も見事。素朴な自然景観の映像も豊か、特徴的なのは恋人達の愛がクローズアップされるエンディング付近での色彩の美しさだった。ちょうど私の部屋に朝日が差し始めた6時頃、普段は眩しくて閉めるカーテンも映画との調和にそのまま開けた状態で観たことにも少し感激。初めて観た監督作品だけれど一発でファンになってしまった。群衆劇性やブラックコメディ的な部分はアルトマンを思い出すし、キャラクターのコケティッシュ度などはコーエンにも通じるところがある。ただストーリーや随所に愛情を備えた演出あたりがこの監督独特の世界なのだろう。知らなかったより知ったことにまずは喜び。


2006年9月3日(日)
 

夢に谷垣禎一財務相が登場する。次回の総選挙に出馬することと先日彼の公式サイトを見た所以の軽い潜在意識が即現れたというところだろう。ストーリーが毎度のことながらおそまつで変。自宅に来ていた友人が谷垣氏と友達関係だと言うので呼ぶことになる。お忙しい合間にわざわざお越しいただき〜、などと挨拶を交わし紹介と世間話などで一時が経過。彼は旧型のノートPCを大きなバッグから取り出して何かをチェックしていた様子の後、急用のためゆっくりできずにすみませんと帰ることに。玄関まで見送ったその時、ドアから武装した隊員らしき数人に囲まれ拉致された私。場面は変わって体育館のような広い館内。何が起こったのか避難場所のごとき多くの人達が集まっている。そこへ自宅にあった家具や荷物が次々に運び込まれてくるので隊員に尋ねると、我が家は封鎖されこれから破壊すると言う。訳がわからないのでとりあえず警察に電話しようと走った所で目が覚めた。このシチュエーションと展開は最近頭から離れないでいる次のことがおそらく起因している。スタッフサービスのCMで「やる気のあるOL発見!」とOLが捕獲されるシーンとBGM。どこかの星の別世界というシニカルなイメージに「ヤヤーン、ヤヤーン〜」の音楽が妙なインパクトになっていた。そして最近読んだ筒井康隆の「最後の喫煙者」という非現実だけれど風刺的でコミカルな内容は、瞬間的にこのCMとオーバーラップした印象だった。夢では見事に混合している。


2006年9月2日(土)
 

久しぶりに作るメキシカン料理として自己解釈エンチラーダスと自己流タコス、サイドディッシュにお肉屋さん自家製チョリソと豆の缶詰をプラスする。初購入したこの缶詰メーカーは「rosarita」、キャッチコピーにはハートオブメキシカンミール50年以上とあるが本社はアメリカ。商品名frijoles(フリホール)とrefrides Beans(リフライドビーンズ)は茹でて潰したインゲン豆のこと。内容成分は豆、水、塩、蒸留ビネガー、チリペッパー、オニオンパウダー、スパイス、ガーリックパウダー、天然香料で98%ファットフリーと表記。パッケージには「チキンとアボカドのトスタダス」と「レイヤードテキサススタック」という2つのレシピが掲載され前者は想像できるけれど後者が少し複雑だ。赤身牛肉、サルサソース、おろしたチーズ、コーン、パン生地の缶詰、泡立てた卵にこの缶詰を材料としてどうやらソースを作って数層に重ね350度のオーブンで40分〜50分焼くという手の込んだ料理らしい。とりあえず今日は手を加えるのを止めてお湯で伸ばしながら温めそのまま食べてみたらまあまあいけるお味だった。自称豆好きの私が普段多く食べるベスト3位内に入るインゲン豆。ルーツは紀元前4000年頃のメキシコ洞窟での発見、世界で最も生産量が多い豆の種類である。豆は栄養的にも偉い。蛋白質、炭水化物、ビタミン、ミネラル等の栄養素をバランスよく含み食物繊維、サポニン、ポリフェノール等の機能性成分も豊富。更にビタミンB1、B2、B6やカリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛等のミネラルまでも多く含有する。また豆類は栄養成分の構成割合により2つに大別されるが炭水化物主体グループにインゲン豆、花豆、小豆、エンドウ豆、空豆、レンズ豆など、一方の脂質主体グループに大豆、落花生が属する。植物性高蛋白・低脂肪食品の代表食材。