防衛

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ナールデン

ナールデン(内部)

ナールデン(地図)

ベヒンホフ


●ナールデン Naarden
アイセル湖南端ゴーイ地区にある中世の城西都市で「アムステルダムのディフェンス・ライン」の一つ。榎本武揚はオランダ留学の経験があり、函館五稜郭はここをモデルにしている。

アムステルダムのディフェンス・ライン Defence Line
アムステルダムを中心に半径15〜20kmの範囲に135kmの環状をなし、最大間隔3.5kmで構成された軍事目的の堤防の輪。堤防は45の要塞を互いにつなぐようにできている。複雑に仕組まれたたくさんの水門を動かすと、3回目で堤防の外側3kmから10kmほどが水であふれる仕組み。深さは50cmから1m。オランダで培われた水力学の技術を、軍事上の防衛に利用したもの。1920年に完全な要塞のネットワークを完成させたが、堤の外側を幅数キロにわたって水であふれさせて首都を最後の砦とする計画は一度も実行されなかった。1996年に世界遺産に登録。 オランダの世界遺産は、芸術的要素や様式をもつ歴史的な、あるいは宗教的な建築物ではなく、オランダ人が生きるために造り上げた人工物の自然と、神の創り出した自然との共存の法則。写真(ナールデン)は内濠と堡塁の風景。

●ベヒンホフ Begijnhof

ベギン会修道院の女性達の施設として1346年にアムステルダムに創建されたが、未亡人や孤児、さらに身よりのない老人達のための住居となる。ベギン会修道院の女性達は自分達が老年になるまで、ここで老人達の世話に日々を捧げる。 通りに面した細い路地の奥にあれほどの空間が内包されていようとはまず思いもよらない。あまり目立たない1カ所の入り口から路地を抜けて入ると、小教会が配置された広い中庭に至る。そこから回廊などを経由して各ユニットへ達する形式。この施設利用者を考えれば、こういった防護的な構成は納得ができるもの。
「ホフェ」=中庭のある建物のこと。中世以来の宗教的な基盤によって形成された背景をもつ都市福祉施設。