かく語りき−オランダの風車

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De Gooyer Windmill

Zaanse Schans

Kinderdijk

Molen van Put


オランダの風車
国土の約20%、約8100平方kmを生み出した干拓事業を語るのに風車はなくてはならない存在であった。まず水深のそれほど深くない湾、入り江、湖泥に水の流れを締め切る堤防を築く。その堤防の外側に水を流し出すための溝を造る。そこで風車が堤防で仕切った内側の水をスクリューを回して汲み上げ運河に吐き出す、干上がればそこが陸地となる。 風車はコミュニケーションの手段としても活躍した。羽根を頂点の少し手前で止める場合は結婚や誕生などの祝福を意味し、羽根を頂点の少し過ぎた所で止める場合は哀悼の意味を表すことなどは第二次世界大戦時に使用。また羽根を十字架型にきちんと止める場合は小休止、×型に止める場合は大休止という暗号もあった。 1870年頃までは約10000基の風車があったが、その後激減し現存するものは約900基。


●アムステルダムのデ・ホーイエル風車 De Gooyer Windmill

18世紀にとうもろこしを挽くオランダ初の風車として建てられた。現在はジェネーヴァ醸造に使用されている。1925年に全面修復。

●ザーンセ・スカンス Zaanse Schans
アムステルダムの北およそ15kmに位置する風車と伝統的家屋の村。17世紀の町並みを再現するため1960年に造られた。緑の壁に白の窓枠の家並みが印象的。6基の風車が風車ザーン川沿いに並び、4基は現役で油絞り風車、マスタード風車、動力風車、染料風車がある。 写真は動力用のパルトロック風車"De Poelenburg"

●キンデルダイク Kinderdijk
ロッテルダムとドルドレヒトとの中間のノールド川添いにある村。19基もの風車群の全ては干拓地の排水用で1722年〜1761年に造られたもの。1997年に世界遺産に登録される。その中の1基には管理人として一家が住んでいる。Kinderdijkとは「子供の堤防」の意味で、1421年の洪水の際の水が引いた後ゆりかごが堤防の上に残っていたことに由来している。 キンデルダイクはどこかもの寂しいムードが漂っている。羽根のスパンは最大で28mもあり、近くで見る風車はかなり大きくて恐いほどだ。

●レイデンのプット風車 Molen van Put

粉挽き用の風車。スタンデルト風車のタイプ。