オランダの建築その2 -Amsterdam/DenHaag
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デン・ハーグ市立美術館
アムステルダム派の集合住宅
国立美術館
建設省
傾いたファサード
オランダ建築の一つの特徴は、レンガを建築材料に使用した明るく楽しげな雰囲気のもの。また真っ直ぐにのびる運河や、カラフルにきちんと色分けされたチューリップ畑に見られる実用的な幾何学。それは土木的で合理的な美学。この率直な軽やかさがもう一つのオランダ建築の特徴。これらはオランダにおける建築工法上の問題である石材が少ないこと、地盤が軟弱なことを克服した独自のスタイルとも言える。
アムステルダム Amsterdam
首都アムステルダムは歴史と文化に彩られた経済と文化の中心地。都市景観は直線的な堤防型集落の規則的な変換によって与えられた都市形態でありながら、結果として出来上がった運河街区は非常に迷路的である。
15世紀以来アムステルダムは趣味のよい建築の街と呼ばれてきた。運河住居の特徴としては建物全体よりも、張り付けられたユニークな破風などで独自の趣向を見ることができる。
アムステルダムの運河添いにある集合住宅は1910年〜1920年代の建築物で、れんがを建築材料に使用し質感やディテールに趣向が凝らされた建物が特徴。
またアムステルダム中央駅は赤レンガの東京駅のモデルになった駅でもある。デザインはP.J.H.Cuypersカイペルス。ゴシック教会の影響を受けている。
デン・ハーグ Den Huug
政治・外交の中心都市で実質的な首都の役割を果たしている。女王の住む宮殿をハウステンボス(森の館)と呼ぶ美しい町。
ヘンドリック・ペトラス・ベルラーヘの最後の作品で1935年完成。所々にデ・スティル的な原色の色彩が使われ、シンプルであるが垂直性が強調された空間になっている。フランク・ロイド・ライトのラーキンビルの影響も見られるそう。
アムステルダムの南郊外ペイプ地区周辺には、アムステルダム派の建築物が多く見られる。これらの多くは1928年のオリンピックに向けて建てられたもの。写真はM.デ・クレルク設計による集合住宅。
デン・ハーグ駅近辺にある全面ガラスの建物。設計者はJ.Hoogstad、1986年-1992年。
運河沿いの家には最初から傾いているものがある。これは家具や荷物を部屋内に吊り上げるための工夫である。1565年のある法律は傾斜率を1:25に制限していたらしい。