低い土地
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The Netherland 国名が「低い土地」という意味をもつだけあって国土のほとんどが平地、一番高いところでも海抜約321m、30%が海より低い土地である。このような自然条件にあって「世界は神が造った。オランダはオランダ人が造った」という言葉があるように、この国の歴史は自然との脅威、水との戦いの歴史を物語っている。「水」の脅威を、安定した「地」に代えようとする人為的営為は、10世紀を境に本格化した。定住と生産のための豊かな「地」の獲得は、主に生産耕地として使用されるポルターと呼ばれる干拓地獲得の技術と、干拓地内部の浸水を防護・制御するダイクと呼ばれる堤防技術の発展の歴史に集約される。 低地オランダのランドスケープデザインは大きな空、コントロールされた水位が特徴で、それは所有する空間美学の独自性を表している。独特の風景として運河・風車・チューリップ畑・道路による幾何学的なデザインはオランダ人が長い時間をかけて計画的に造り上げた成果と言える。実用的で合理的な美学である。 このことを象徴させる芸術としてはエッシャーの「昼と夜」が面白い。彼の父は水利技師であり、整然と区切られた干拓地の風景とその上を飛ぶ鳥はまさにオランダのランドスケープデザインを連想できる。またエッシャーの描いた「水」や「地」を巡る空想的三次元空間の構成も、オランダならではの観点で見ることができる。 |
●自転車 ●チーズ |
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